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傷跡をきれいにする(瘢痕修正術)
- 2012年9月11日 10:56
形成外科の専門分野に
傷あとの修正 手術があります
(瘢痕修正術といいます)
残念ながら傷跡をなくす魔法のようなことはできませんので
細い線の傷跡にして目立ちにくくします
時には、シワの方向に一致させて
シワのように見せて隠すこともあります
具体的にどうするかといいますと
傷を切り取って
縫い直します
この時に、他の外科の医師たちとは違い
形成外科の医師は、傷跡の半年後を想像して
縫います
どういうことかと言いますと
縫われた傷は、非常に弱いです
周囲の肌の張りに引っ張られます
弱いので、この肌のハリに負けて
幅のある傷になろうとします
妊娠線も同じような機序でできます
傷ではない正常の皮膚ですが
赤ちゃんが大きくなるにつれてお腹も大きくなります
この大きくなる力に 皮膚の繊維が負けて 引き裂かれます
結果として、肌の張りを作っている真皮層で傷になるわけです
このために、引き伸ばされた頼りのない皮膚になります
このことを見越して
皮膚のハリのある成分、固い部分
である真皮層をしっかり縫合します
形成外科学会のHPからいただいた図ですが、このように
皮膚の少し深い部分をしっかり縫って
傷を必要分だけ盛り上げます
この盛り上げる量は、年齢や場所によって大きく変わります
特に気にされる 若い女性の場合は大変です
肌のハリも強く、動きも活発なので
一番難しいですね
この盛り上がりの部分が
数ヶ月かけて徐々に平らになることで
傷にかかる力を受けて
最終的に線の細い傷になります
この間、最低三ヶ月はしっかりとテープを貼って
傷にかかる肌の緊張を減らします
開院当初に手術させていただいた患者さんが
久しぶりにこられましたので
次回、写真をお見せしますね
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